5+
パートナー国
7+
パートナー企業
2023
設立年
3
事業の扉
Care Link
Specialty Pharma × Last Mile
患者の不安を、可視化された安心へ。
薬局から患者宅までのスペシャリティ医薬品ラストワンマイル配送。コールドチェーン管理、服薬継続率の可視化、PSP連携を一気通貫で実現します。
Global Bridge
Import × Export
日本の英知を、世界へ。
海外医薬品・原料の日本市場参入、日本のOTC・サプリメントの海外展開。規制対応から物流まで一括支援します。
garden
Supplement Development
ひとつの製品を、ともに育てる。
サプリメント・健康食品の企画から製造まで。OEM/ODM対応、原料調達、ブランディング支援をワンストップで提供します。
最新の発信
CEO 山本正也が NewsPicks で発信する、医療・ヘルスケアのインサイト
大幸薬品中間期 ― 正露丸の海外シフトと先行投資の読み方
まず前提を一つ。今回の中間期は、クレベリンの回復を見る決算というより、「正露丸をどこで売るか」という地図の書き換えを見る決算だと受け止めています。 中間期の売上高は2,636百万円(前年同期比9.3%増)、営業利益は17百万円(同63.4%減)、親会社株主に帰属する中間純利益は44百万円(同84.1%減、前年は投資有価証券売却益347百万円がありました)。通期予想は売上高7,200百万円・営業利益500百万円で据え置き。進捗は売上で36.6%、営業利益で3.4%です。 増収なのに営業利益が縮んだ理由は明快です。売上総利益が1,339百万円と1.4%増にとどまる一方、販売費及び一般管理費は1,321百万円(3.8%増)まで増えました。増加分は海外向けのマーケティング費用です。 セグメントでは、医薬品事業が売上2,523百万円(14.3%増)。内訳は国内1,410百万円(16.9%減)、海外1,112百万円(118.7%増)で、半期にして海外が国内に迫る構成になりました。国内の減少は、需要が消えたというより「正露丸」の供給不足、競合他社製品の供給再開、インバウンド需要の減少が重なった結果と会社は説明しています。供給側の制約による部分は、需要の弱さと分けて読みたいところです。感染管理事業は売上111百万円(45.4%減)ながら、広告費の減少でセグメント損失は92百万円へ59百万円改善しました。 国内の大衆薬市場は、人口動態から見て数量が自然に増える環境ではありません。確立したブランドを持つ企業が海外の実需を取りに行くのは自然な選択で、今回の費用増はその先行投資だと理解しています。ただ先行投資は、回収の証拠が出るまでは費用にしか見えません。 次に注目したいのは2点です。ひとつは下期の海外出荷が実需なのか、流通在庫の積み上がりなのか。営業キャッシュ・フローが66百万円の支出(前年同期は61百万円の獲得)、棚卸資産が286百万円増えている点と併せて確かめたいところです。もうひとつは、国内の供給正常化が下期の売上に戻ってくるか。通期500百万円の下期偏重は、この2つが揃うことを前提にしていると読むのが素直だと思います。
扶桑薬品1Q増益の実態―費用圧縮と特許訴訟リスクの読み方
扶桑薬品工業の第1四半期は、営業利益が9億72百万円と前年同期比63.0%の増益でした。ただ、この数字だけで「収益力が上がった」と読むのは早いと思っています。 まず前提を一つ。同社の主力は人工透析用の透析剤キンダリーと輸液です。患者さんが週に3回、何年も使い続ける医療インフラであり、「安く売る」ことより「切らさない」ことに価値がある製品です。薬価改定は直接効く一方、原材料やエネルギー価格の上昇は転嫁しにくい。この非対称性が損益の出発点にあります。 中身を見ます。売上高は160億46百万円(+3.5%)、売上総利益は40億78百万円から41億98百万円へ1億20百万円の増加。一方で販売費及び一般管理費は34億82百万円から32億25百万円へ2億57百万円減っています。営業増益3億75百万円のうち7割近くが費用側から出ている計算です。売上総利益率は26.3%から26.2%とほぼ横ばいで、採算構造そのものが改善したわけではない、と読むのが素直だと思います。 会社が通期予想(売上632億円、営業利益20億円)を据え置いたことも、同じ方向を示していると受け止めています。営業利益の進捗率は48.6%ですが、それでも引き上げていない。1Qの費用水準は通年では続かない、という見立てなのだろうと思います。 営業外も見ておきたいところです。支払利息が70百万円から1億4百万円へ増え、支払手数料1億20百万円が新たに発生した結果、経常増益は2億64百万円にとどまりました。短期借入金は244億89百万円。金利のある世界では、この規模の借入が損益に直接効いてきます。 そして、この決算で最も重い数字は損益計算書の外にあると思います。貸借対照表には仮払金87億44百万円と訴訟関連損失引当金87億44百万円が両建てで載ったままです。東レとの特許訴訟で知財高裁から74億7,287万円余の支払を命じられ、現在は最高裁に上告中。純資産357億51百万円の会社にとって、決着の仕方が財務の姿を変えうる規模です。 次に注目したいのは2点。上告審の帰趨と、1Qの販管費抑制が通期でどこまで続くか。透析と輸液を止めないための投資と、この重い不確実性をどう両立させるかが当面の焦点だと考えています。
大麻規制の先送り ― 利益相反が公衆衛生政策の信頼を損なうリスク
規制の先送りが特定の利益関係者に恩恵をもたらすという構図は、米国に限らず規制行政が抱える普遍的なリスクです。大麻由来成分(デルタ8THCなど)は、連邦・州の法的グレーゾーンを利用して急拡大してきた市場であり、安全性・品質基準の整備は本来消費者保護の観点から急務でした。それが政治的な人脈によって棚上げされるとすれば、公衆衛生政策の信頼性を大きく損ないます。 医療・ヘルスケアの観点から注目したいのは、規制の空白が製品の品質管理と副作用監視にどう影響するかという点です。米国では大麻由来製品に関連した救急搬送が増加しており、FDAや各州機関が整合的な枠組みを持てない状況は、安全な医療用途の研究開発にも影を落とします。 政策と利益相反の問題は事実関係の精査が必要ですが、規制の優先順位が科学的根拠より政治的文脈で決まる事例として、日本の薬事行政を考える際にも参照すべき教訓を含んでいると思います。